おはようございます、なべやすです。
恐竜化石が展示されている博物館は、国内にいくつかあります。
一般的には国立または県立博物館の1コーナーに、少数の恐竜化石が展示されていることがほとんどです。
東京上野にある国立科学博物館は比較的多くの恐竜化石が展示されておりますが、恐竜化石以外の展示物もたくさんあるため、他の博物館と同様に特定の場所に展示されている点は一緒です。
恐竜フリークにとっては、それら博物館に少し物足りなさを感じてしまうときがあります。
そんな思いがあったときに、ぜひ行ってほしい博物館が福井県立恐竜博物館です。
福井県立恐竜博物館は国内唯一の恐竜に特化した博物館で、恐竜化石をはじめとした各展示物もたくさんあります。
当記事では、数枚の写真を含めて福井県立恐竜博物館の恐竜化石とその見どころを紹介させていただきます。
福井県立恐竜博物館の基本情報
福井県勝山市にある福井県立恐竜博物館は、国内唯一の恐竜博物館として最大の規模(展示室4,500㎡)および展示物数(恐竜全身骨格44体)を誇る見どころ満点の博物館です。
時期によっては各イベントなども開催されていることもあり、常設展以外の福井県立恐竜博物館を楽しむこともできます。
特に夏やすみシーズンは何かしらのイベントが開催される可能性が高いので、要チェックです。
恐竜県と言っても過言ではない福井県が力を入れている博物館で、子どもから大人まで年齢に関係なく楽しむことができます。
アクセス・利用案内
アクセス |
電車・バス→えちぜん鉄道勝山永平寺線勝山駅(終点)下車バスまたはタクシー。 |
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開館時間 |
午前9時から午後5時まで(入館は午後4時30分まで)※夏季繁忙期は午前8時30分から午後6時まで(入館は午後5時30分まで) |
休館日 |
第2・4水曜日(祝日の時はその翌日、夏休み期間は無休)年末年始(12月31日と1月1日) |
入館料 | 一般730円、高・大学生420円、小・中学生260円、未就学の幼児および70歳以上は無料。 |
サイト | |
住所 | 〒911-8601福井県勝山市村岡町寺尾51-11かつやま恐竜の森内 |
お問い合わせ | 0779-88-0001(代表) 0779-88-0892(団体受付) |
福井県立恐竜博物館は、新型コロナウイルス感染防止のため時間帯ごとの予約制となっております。
事前にオンラインによる入館予約をしていないと、入館できないのでご注意ください。
入館予約はコチラから
恐竜博物館の予約について|発表|博物館トピックス|FPDM: 福井県立恐竜博物館
いきなりティラノサウルス(ロボット)がお出迎え
博物館入り口を通過すると、そのままエスカレーターで1F 展示室「恐竜の世界」に進みます。
そこには恐竜の王者ティラノサウルスが、福井県立恐竜博物館の来館者である私たちを迎えてくれます。
ロボットとはいえ、そのリアルなティラノサウルスの動きに、怖がる子どもすらいるほどです。
迫力あるティラノサウルスのお出迎えにより、福井県立恐竜博物館の世界がはじまります。
福井県で発掘された恐竜化石
恐竜化石の大半は、福井県立恐竜博物館の1階展示室「恐竜の世界」「地球の科学」に展示されております。
このゾーンでは、世界各地で発見された様々な恐竜化石を見ることが可能です。
福井県で発見されたフクイラプトル、フクイサウルスなどの骨格標本を中心に、これまで国内で発見された恐竜化石なども見ることができます。
※恐竜名の横にあるカッコ内の記載は、名前の意味です。
フクイサウルス〈福井のトカゲ〉
- 科名:イグアノドン類
- 全長:約5m
- 食性:植物食
- 生きていた時代:白亜紀前期
- 化石が見つかった場所:福井県勝山市北谷町
他のイグアノドンのなかまと比べると、フクイサウルスはやや小型です。
通常は2足歩行のようですが、4足歩行もできたといわれております。
福井県の発掘調査で発見された、福井県を代表する恐竜です。
恐竜博2019のレポートはコチラ
フクイラプトル〈福井のどろぼう〉
- 科名:ネオベナトル科
- 全長:約5m
- 食性:肉食
- 生きていた時代:白亜紀前期
- 化石が見つかった場所:福井県勝山市北谷町
フクイラプトルは他のラプトルと同じように、ドロマエオサウルスのなかまだと思ておりましたが、アロサウルスのなかまになります。
2000年に、日本で一番最初に正式な学名がつけられた恐竜です。
同じなかまの恐竜と比べると小型ですが、福井県立恐竜博物館に展示されている骨格は成長途中の段階とみられ、もっと大きくなった可能性があるといわれております。
フクイベナートル〈福井の狩人〉
- 科名:テリジノサウルス類
- 全長:約2.5m
- 食性:雑食
- 生きていた時代:白亜紀前期
- 化石が見つかった場所:福井県勝山市北谷町
最も原始的なテリジノサウルス類と考えられております。
テリジノサウルスのように大型ではありませんが、長い爪はテリジノサウルスと同じです。
骨格や歯の形から、雑食性で鋭い嗅覚を持っていたことがわかっております。
フクイティタン〈福井の巨人〉
- 科名:ティタノサウルス形類
- 全長:約10m
- 食性:植物食
- 生きていた時代:白亜紀前期
- 化石が見つかった場所:福井県勝山市北谷町
骨格の一部しか見つかってないため、他の恐竜のような復元骨格はありませんでした。
北陸自動車道(福井方面)の南条サービスエリアに、フクイティタンの恐竜ロボットがありましたので、その動画を張り付けてみました。
福井の巨人と名づけられておりますが、竜脚類としてはかなり小型であった可能性があります。
メジャー恐竜の化石
夏休みシーズンに各地で開催される恐竜博や全国にある博物館でもよく見かける、メジャーな恐竜の化石も福井県立恐竜博物館にはたくさん展示されております。
それらの中から、選び抜いてきたものを紹介いたします。
ティラノサウルス〈暴君トカゲ〉
- 科名:ティラノサウルス科
- 全長:約12.5m
- 食性:肉食
- 生きていた時代:白亜紀後期
- 化石が見つかった場所:カナダ、アメリカ
過去に何度も恐竜展(恐竜博)を見てきましたが、ティラノサウルスが出てこなかったことはないといっていいほど、恐竜イベントには欠かせない存在です。
毎回、見ていて思いますが、これほどの知名度と存在感のある恐竜は他にいないと思っております。
T-REXと呼ばれることも多く、名前の通り恐竜の王様です。
スピノサウルス〈背骨トカゲ〉
- 科名:スピノサウルス科
- 全長:約16m
- 食性:肉食(魚)
- 生きていた時代:白亜紀前期~後期
- 化石が見つかった場所:エジプト、モロッコ
写真は頭部だけですが、ワニのような細長い口と背中の大きな帆が特徴の肉食恐竜です。
全長が約16mもあり、最大級の肉食恐竜であったと考えられております。
最近では水中での生活が多かったという説もあり、足には水かきがあったようです。
ティラノサウルスにも引けをとらない、迫力満点の大型肉食恐竜です。
実は水中で生活していた?
ブラキオサウルス〈腕のトカゲ〉
- 科名:ブラキオサウルス科
- 全長:約26m
- 食性:植物食
- 生きていた時代:ジュラ紀後期
- 化石が見つかった場所:モンゴル
よく知られている竜脚類の一種で、映画ジュラシックパーク(ジュラシックワールド)にも出てくるメジャーな恐竜です。
長い前脚と高く上がる長い首が特徴で、高い木の葉を食べることができたと考えられております。
大型の竜脚類ブラキオサウルスは、福井県立博物館でもその大きさは一際でした。
オメイサウルス〈オーメイ(中国の山)のトカゲ〉
- 科名:マメンチサウルス科
- 全長:約11~15m
- 食性:植物食
- 生きていた時代:ジュラ紀中期
- 化石が見つかった場所:中国
福井県立恐竜博物館のオメイサウルスは化石でなく復元模型でしたが、大きさからくるその存在感は館内でもかなりインパクトがあります。
オメイサウルスの名は、化石の発見場所でもある中国四川省の山(おめい山)から取って名づけられたと言われております。
とても長い首が特徴の竜脚類です。
同じなかまのマメンチサウルスやチュアンジエサウルスと比べると、オメイサウルスはやや小型になります。
アロサウルス〈(背骨が)かわったトカゲ〉
- 科名:アロサウルス科
- 全長:最大で約12m
- 食性:肉食
- 生きていた時代:ジュラ紀後期
- 化石が見つかった場所:アメリカ、ポルトガル
ジュラ紀を代表する大型の肉食恐竜です。
ジュラ紀の肉食恐竜の中でも体の大きいアロサウルスは、その時代の陸上にいる最強の恐竜だったでしょう。
全長はティラノサウル並みですが、アロサウルスの方がスリムです。
サウロロフスの一種とオロロティタン
どちらもハドロサウルス科の恐竜ですが、特徴でもあるとさか部分に大きな違いがあります。
サウロロフス(とさかのあるトカゲ):写真左側
- 科名:ハドロサウルス科
- 全長:約12m(骨格全長10.6m)
- 食性:植物食
- 生きていた時代:白亜紀後期
- 化石が見つかった場所:モンゴル
一見、パラサウロロフスの骨格標本にも見えますが、よく見てみると、とさかの長さがパラサウロロフスよりも短いのがわかります。
たくさんの骨格以外に、皮膚のあとの化石も見つかっているようです。
オロロティタン(巨大な白鳥):写真右手前
- 科名:ハドロサウルス科
- 全長:約12m(骨格全長8.1m)
- 食性:植物食
- 生きていた時代:白亜紀後期
- 化石が見つかった場所:ロシア
大きく立派なとさかが特徴の恐竜です。
同じハドロサウルス科で有名なパラサウロロフスとは、違った特徴のとさかを持っております。
ランベオサウルス類の中では、大型の部類に入ります。
恐竜時代の海にいた生き物
恐竜時代の海には、恐竜に似た大型の爬虫類や巨大なカメの祖先も存在しておりました。
恐竜にも引けを取らない、迫力ある生き物を紹介します。
エラスモサウルス〈うすい板のトカゲ〉
- 科名:プレシオサウルス類
- 全長:約14m
- 食性:肉食(主にイカなどの海の小動物)
- 生きていた時代:白亜紀後期
- 化石が見つかった場所:アメリカ
プレシオサウルス類の中では、最も大きいエラスモサウルスです。
日本を代表する首長竜のフタバスズキリュウ(フタバサウルス)よりも、遥かに大きく迫力があります。
他の首長竜と比べてダントツで長い首は、胴体部分と首の長さのバランスが悪く感じるほどです。
恐竜時代の海を悠然と泳いでいたことが、この骨格標本から想像できます。
ネッシー伝説とプレシオサウルス
アーケロン〈支配者のカメ〉
- 科名:プロトステガ類
- 全長:約4m
- 食性:肉食(主にイカ)
- 生きていた時代:白亜紀後期
- 化石が見つかった場所:
ファーストインプレッションは、とにかく大きいカメ!
いくら恐竜の時代とはいえ、こんなに大きいカメが本当にいたのかと思えるほどです。
アーケロンの化石を見れる機会はめずらしく、福井県立恐竜博物館以外では見たことがありません。
福井県立恐竜博物館に来た際は、ぜひアーケロンをチェックしましょう。
恐竜が現れる前の生き物
福井県立恐竜博物館には、地球上に恐竜が現れた三畳紀よりも前にいた生き物の化石が展示されております。
ディメトロドン
- 科名:単弓類
- 全長:約1.7~3.5m
- 食性:肉食
- 生きていた時代:ペルム紀後前期
- 化石が見つかった場所:北アメリカ、ヨーロッパ
恐竜のようで恐竜ではない。
爬虫類のようで爬虫類ではない。
ディメトロドンは、爬虫類のような姿と哺乳類の特徴を併せ持った生き物と言われております。
地球上に恐竜が登場した三畳紀よりも前(ペルム紀)に、ディメトロドン存在していました。
今年の夏に公開したジュラシックワールド/新たなる支配者に登場しております。
最後に
福井県立恐竜博物館は、広大な展示スペースにたくさんの恐竜化石が展示されております。
恐竜以外の古生物も複数展示されていて、他の博物館とは違った雰囲気を味わうことができます。
広大なスペースから見る恐竜関連の展示物は、一日中楽しむことができるほど大規模です。
今回は2度目の訪館でしたが、その魅力は色褪せることがありませんでした。
現在はコロナ禍により入館予約制となっていることもあって、福井県立恐竜博物館をじっくり観覧することができるいい機会です。
入館予約をして、子どもから大人まで楽しめる福井県立恐竜博物館へ遊びに行きましょう。
2023年の夏にリニューアルオープンも予定されているので、国内唯一の恐竜博物館としてますます期待できそうです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
参考
当記事は、主に以下を参考に作成しております。
小学館の図鑑NEO(新版)恐竜は子ども向けの図鑑であるため、とても分かりやすく記載されており、親子で楽しむことができます。
また、これから恐竜のことを知りたい大人が、入門書として読むのにも理解がしやすいのでおすすめです。
付属のDVDは、リアルな恐竜の映像やクイズが長時間収録されていて、図鑑と合わせて恐竜の世界をタップリ楽しむことができます。